
悩みというのは、気づけばどんどん膨れ上がっていくものです。
ひとつの小さな不安が、次から次へと連鎖して、まるで雪だるまのように大きくなっていく――そんな経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
しかし、よくよく見てみると、私たちは「悩みそのもの」よりも「悩みについて悩んでいる」状態に陥っていることがほとんどです。
つまり、自分自身の思考が、悩みを必要以上に大きくしてしまっているのです。
日々の生活の中で抱えてしまいがちな悩みを、シンプルに整理してラクになるための方法を、具体的なステップでご紹介します。
心が軽くなるきっかけになれば幸いです。
「悩むこと」は誰にでもある自然なことです。
なぜ悩みはどんどん膨らんでしまうのか?

しかし、その悩みが止まらなくなってしまうと、心身に大きな負担がかかります。
実は、悩みが膨らんでしまう原因の多くは、悩みの中身が整理されていないことにあります。
思考がぐちゃぐちゃになって、何が問題なのか、自分が何に困っているのかすら分からなくなってしまう。
こうなると、悩みは実際以上に大きな問題に感じられ、ストレスを増幅させます。
また、私たちは無意識に不安を煽られ、「これもあれも悩まなきゃいけない」と、必要以上に背負い込んでしまう傾向もあります。
SNSやテレビなど、日常生活に溢れる情報も、心に不安の種を植えてしまうのです。
たとえば、他人の成功や幸せを見て「自分はどうしてうまくいかないんだろう」とか、私たちの場合は「なぜ彼はこの世から去ってしまって、私は一人なのだろう」と比べてしまい、自分の悩みをより深刻に感じることもあるでしょう。
さらに、「母親とはこうあるべき」「ひとり親は強くなければいけない」という固定観念がプレッシャーとなり、自分自身の悩みに拍車をかけてしまうことも。
特に死別を経験したシングルマザーにとっては、その痛みが尾を引きやすく、思考を複雑にします。
そういった状態を脱するためには、まずは悩みを分解して、見える化することが第一歩です。
【STEP1】まずは「書き出す」ことで、悩みを可視化する

悩みを整理するための基本中の基本、それが「書き出す」ことです。
書くことで思考が外に出る
私たちの頭の中は、常にたくさんの情報で溢れています。
思考も感情も、ぐるぐると同じところを回っているだけで、解決には至らないことがほとんどです。
そんな時、「紙に書く」という行動を取ることで、頭の中にあるものが外に出て、客観的に見ることができるようになります。
- 自分を客観視できる質問リスト
- 今何に悩んでいるのか?
なぜそれが気になるのか?
どうなったら理想的なのか?
その悩みは誰の影響で生まれたものか?
それは今の自分にとって本当に重要なことか?
この質問リストを参考に、思いつくままに書いていくと、自分の思考がだんだんクリアになっていきます。
朝の“まどろみタイム”に書くのがおすすめ

一日の中で書き出しに最適なのが、朝、目覚めたばかりの「まどろみ時間」です。
この時間帯は、脳がまだ完全に目覚めておらず、無意識の声に近いものが出やすいと言われています。
起きてすぐスマホを触るのではなく、ペンとノートを手に取って、書き出してみてください。
- 朝の「まどろみ時間」書き出しリスト
- 夢の内容
起きた時に感じたこと
今浮かんでいる不安やモヤモヤ
昨日引きずった感情
些細なことでも気になっていること
を書き出してみましょう。
誰に見せるわけでもないので、誤字脱字も気にせず、思ったままの言葉でOKです。
続けるうちに、自然と心の中の整理整頓ができるようになります。
また、書いたことを読み返すことで、自分の思考やパターンに気づきやすくなります。
それが、自分自身を客観視する第一歩になります。
こうした習慣は、自己理解を深めるだけでなく、悩みに飲み込まれないための「思考の筋トレ」とも言えるでしょう。
【STEP2】その悩み、“本当にあなた自身の悩み”ですか?

書き出してみると、意外と多いのが「それって本当に自分の悩み?」という内容です。
たとえば、
- 子どもが学校でうまくいっていない
- パートナーの体調が心配
- 親の老後のことが気になる
- 友人関係のゴタゴタ
- SNSでの他人の言動が気になる
こうした悩みは、たしかに自分に関係のあることではありますが、本質的には「他人の問題」である場合も多いのです。
一体誰の悩みなのか?まず、悩んでいると思い込んでいる内容の主語はだれなのかを考えてみましょう。
人間関係での悩みは相関図を書いてみるのもお勧めです。
境界線を引くことで心がラクになる
大切なのは、「これは誰の課題なのか?」を見極めること。
心理学でよく使われる「課題の分離」という考え方では、以下のように整理します。
チェックポイント
自分の行動や感情:自分の課題
他人の選択や感情:他人の課題
たとえば、子どもが友達と喧嘩してしまった場合、どう対応するかは子ども自身の課題です。
親としてサポートはできますが、代わりに悩みを解決することはできません。
こうして「誰の悩みなのか?」を仕分けることで、自分が抱え込まなくてもよい悩みを手放すことができるようになります。
このプロセスを経ることで、「私は私」「あの人はあの人」と、健全な距離感が生まれます。
そして、それがあなた自身のメンタルを守る大きな盾となるのです。
【STEP3】似たようなことで何度も悩んでいませんか?

書き出した悩みを眺めていると、何度も同じようなテーマで悩んでいることに気づくことがあります。
「またこのことで悩んでる…」
それは、あなたの中にある思考のクセや固定観念、無意識のブロックが関係しているかもしれません。
幼少期の体験や過去の傷が影響することも
たとえば、
- 「私は幸せになってはいけない」
- 「楽しむと、あとで痛い目に合う」
- 「頑張らないと価値がない」
- 「私は一人で何でもやらなきゃいけない」
といった思い込みは、幼い頃の家庭環境や、過去のトラウマ体験から来ている場合があります。
特に、身近な人との死別や、感情を抑えて育ってきた経験などは、強い思考パターンとして残りやすいのです。
こうしたパターンに気づくことで、「また同じことで悩んでるな」と俯瞰できるようになります。
自分を責めるのではなく、
「自分はこういう傾向があるんだな」
と理解し、受け止めてあげることが大切です。
自己理解が進むと、同じ悩みに対しても以前より冷静に対応できるようになります。
それが悩みのループを断ち切る第一歩になります。
【STEP4】悩みを「人生のテーマ」として捉える

中には、すぐに手放せない悩みや、繰り返し現れる問題もあるかもしれません。そういった悩みは、もしかするとあなたに与えられた人生の課題かもしれません。
チェックポイント
人間関係での境界線の引き方
自己肯定感の低さ
親との関係
パートナーとの依存関係
喪失体験からの回復
こうしたテーマは、多くの人が一生をかけて向き合っていくものです。
完璧に解決しなくても、「向き合いながら生きる」こと自体が、あなたを深めていきます。
悩みは苦しみだけでなく、成長の種でもあります。
そこに向き合う勇気が、人生の充実や、他人との共感力を育てるきっかけになるのです。
どうしても苦しくて前に進めないときは、信頼できるカウンセラーや専門家に相談することも大切です。
一人で抱え込む必要はありません。
今日からできる「悩み整理」のまとめ
心のモヤモヤを解消するために、今日から始められることはたくさんあります。
小さなステップを重ねることが大切

- 朝の3分間ジャーナリング(書き出し)を始めてみる
- 書いた悩みが「誰のものか」仕分けしてみる
- 思考のクセや思い込みに気づく
- 必要ならばプロの力を借りる
- 繰り返す悩みは人生のテーマと捉えて深掘りする
- 書き出しを習慣化して、自己対話を続ける

悩みは、放っておくとどんどん増殖しますが、向き合って整理すれば、ちゃんと減らしていけます。
完璧を目指さなくていい。まずは「書き出す」ことから始めてみてください。
あなたの心が、少しでも軽くなりますように。
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