
はじめに
大切な人を亡くした喪失感は計り知れません。
あまりにも喪失感が深くて、心を閉じてしまうこともあるでしょう。
今まで付き合っていた人と一緒にいることがしんどくなったり、新しい環境に入った時に自分の境遇を話さなければという心の葛藤が生まれ、あえて距離を取り一人で過ごそうとします。
逆にひとりになりたくなくて、友達と必要以上に一緒に過ごそうとしたり、例えば恋人をすぐに作るなど、依存的になる場合もあります。
心にあまりにも大きなショックがあると、人との距離感がわからなくなり、今まであまり意識していなかった人間関係を、複雑にさせてしまうこともあります。
難しく考え始めたら、さらに心が疲れてしまいます。
今回は、死別後に人間関係でしんどさを感じた時に、読んでいただければと思います。
「励ましの言葉がつらい」と感じるのは普通のこと

死別後、あなたの周囲の人は過剰に心配する人も出てきます。
「元気を出して」「時間が解決するよ」といった励ましの言葉に傷つくこともあるでしょう。
なぜなら、元気を出したくても出せることではありませんし、時間が解決するということをその時点で到底思えないからです。
かける側は善意でかけています。
しかし、受け取る側の心境とは大きなズレが生じます。
「気を遣わせてはいけない」と無理に明るく振る舞う必要はありません。
なぜなら、善意でふるまっている自分に酔っている人が一定数いるからです。
その人の声をかける意図は案外わからないもの。
だからそういう人のために頭を働かせる必要はありません。
そして、言葉一つ一つに振り回される必要もないのです。
どちらかというと、そういう言葉に対して、自分がどう感じているかということの方が大事です。
いろいろと言われることが煩わしい、ありがたいけど今応えられないなど、反応する自分の気持ちを大事にして、それを伝える勇気を持ちましょう。

今は辛すぎてそっとしてほしい場合は、そのまま伝え、自分から連絡できるときに必ずすると伝えましょう。
気持ちを汲んでくれるか、それでもお世話を焼いてくるか、それはまず伝えなければ分かりません。
あなたのことを大切に思ってくれる場合、その気持ちを汲んでくれるはず。
逆に元気にふるまうと、「もう大丈夫ね」など勝手に安心して、「無理に元気にしてるのにわかってもらえない」と落胆したり憤りを感じたり、心が揺れ動く場合があります。
ですので、自分に嘘をつかずに、自分の心を大切にすることが最も重要です。
「距離を取りたい人」と「大切にしたい人」の見極め方

死別を経験するとその人の本質が本当によく見えてきます。
ですので、今後の人生「距離を取りたい人」と「大切にしたい人」が見極められるようになります。
では、それぞれの特徴をお伝えします。
距離を取りたい人
距離を置きたい人はあなたが違和感を覚える人です。
いくつか例を挙げておきます。
あたかも心配しているようにふるまうのだが、死別したことに興味深々な人
あなたを心配しているように頻繁に連絡をしてくれる人はちょっと注意が必要です。
そうやって心配した言葉をかけて、根掘り葉掘りあなたの様子を知りたがる人かもしれません。
ズバリ大変失礼な人!
これはあまりいないとは思いますが、私の実例をお伝えします。
私は、職場で挨拶をする程度の人に「あなた保険金いくら受け取ったの?」と聞かれたことがあります。
私は驚愕して、言葉にはなりませんでしたが、その人の人間性を疑いました。
案外人の死とお金を気にする人は一定数います。
少しでもそのような発言をされたら、死別の辛さ、つまり人の心よりもお金を大切にする人だと思って距離を置きましょう。
「わかる~」と連発する人
人の気持ちはそれぞれです。それを「同じ」と一括りにするのは、ちょっと違和感がありませんか?
特に死別直後は、私はある一定の人(同じ死別シングルマザーさん)の「わかる」しか受け入れらませんでした。
「うちもパパの仕事が忙しくてワンオペだからわか」るとか、「離婚しているからわかる」とか、正直その当時はそういう言葉は受け入れられませんでした。
「ちょっと状況が違うよね」と素直に伝えたとしても、聞き入れずわかるわかると連発する人がいました。
そうなると、もはやこちらの話は聞いておらず、共感こそが癒しの言葉だと思い込んでいる人。
わかると言えば相手を癒していると自己満足しているように感じて、その分かるがとても安っぽく感じ、むしろわかってもらえていないと思い、話す気持ちがしなくなりました。
本当に理解してくれる人は案外口数は少ないはずです。
過剰に特別視する
大変だったよね~、本当に辛い思いをしてかわいそうよね~と、抑揚をつけて過剰に死別を「悲惨なこと」と押し付けてくる人がいます。
それはあなたを不幸に見立て自分の幸福を感じる人かもしれません。
大変なのかは自分が感じ、決めること。
あまりにもしつこい同情を押し付けてくる人は相手にしない。
言われたときの自分の感覚を大切にしましょう。
大切にしたい人

今後も付き合っていきたい人はどういう人でしょうか?
距離を置きたい人同様、自分の感覚を研ぎ澄ませ、感じることをと大切にしてください。
必ず自分の心がキャッチします。
私の場合は、特別扱いをしないで、フラットに付き合ってくれる人です。
黙って子供を預かってくれた人もいました。
自分の甘い考えにズバッと真意をつくような、正直耳障りは良くない言葉をかけてくれた人もいましたが、本気で私のこれからを思って言ってくれていると感じました。
黙って私の心が解けていくのを待っていてくれた人、あなたの気持ちはわからないけれど、一緒に人士を楽しみたいと言ってくれた友達の言葉も忘れられません。
今後付き合っていきたいと思える人は、自分の中でのベストタイミングで自分に響く言葉をかけてくれたり、言葉ではなく態度で伝えてくれたりしました。
感じてください。
あなたは確実にそういう人との出会いで、素晴らしい人になっています。
あなたの周りに、もしつらい人が現れた時は、同じように「恩送り」をしましょう。
大切にしたい人に返すこともできますが、それを広げていくこともできます。
「自分が心を開ける人」を大切にし、無理に人付き合いを広げる必要はありません。
距離を置きたいと思うのであれば、距離を置けばいいのです。
そうやって自分の人生を量より質に変えていくチャンスです。
人間関係を整理することは「悪いこと」ではなく「自分を守るための、人生の質を開けるための選択」です。
「ひとりになりたい」と思うのは悪いことじゃない

死別をする前は、社交的だった人でも、死別後に「一人でいたい」と感じることはあります。
「今は人付き合いが負担」と思ったら、一時的に距離を置いてください。
前述したように、心が敏感になっているときですから、無理をする必要はありません。
無理に予定を入れず、「心が休まる時間」を優先してください。
一人で過ごす有意義さ

一人でいることは決して寂しいことではありません。
今まで隣にいた人がいないから、いない部分を見て「欠けている」ような気持になっているのです。
その自分をいたわることも大切ではありますが、と同時に一人で過ごす醍醐味も味わうと今後の人生とても楽になります。
一人でいることで、自分の思考や自分の感覚にいい意味で集中ができます。
自分は何に心地よいと感じ、どんなことに癒され、何を美味しいと味わえるのか?
自分を理解するには、自分と向き合うことが必要です。
誰かといると、その集中が途切れてしまいます。
この死別をどう感じているのか、これから自分はどうなりたいのか?そのために何を選択するのか、ひとりの時間で自分と自分の未来を愛する習慣してください。
まとめ・自分にとって心地よい人間関係を見つける

励ましの言葉がつらいのは自然なこと。
無理に元気にふるまう必要はありません。
自分の感覚というものはとても素直で、心はちゃんと答えを知っています。
過去の関係にとらわれず、今の自分が心地よいと思える環境や人に身を置いてください。
今までの自分と同じでなくて良いですし、同じ必要もありません。
人は進化や成長をするもの。
今の自分に合った環境で自分らしく過ごせばいいのです。
もしつながりが欲しいときは、オンラインコミュニティや遺族会を活用するのも一つの手。
私もコミュニティを作って、死別のシングルマザーの方と共感できる時間を過ごしています。
カウンセリングやコーチングでプロと一緒に過ごすというのもお勧めです。
何よりも、自分にとっての心地よさを見つけるようにしてください。
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